2.29.2016

行ってきます。

準備万端。
ようやく出陣。
今日は波4mの大時化。
今も風が凄い、、、大丈夫だろうか。
まぁそれは天に任せるとしよう。
今日は最後の荷造りを終えてから新築で記念撮影。
餅投げをしようか迷ったけど、やめといた。
家族と離れ離れになるのが、寂しい。
なんで旅に出なきゃいけないんだろう。。。
屋久島でもやりたい事は山ほどあるのに。
ふとそんな事を思ったり。
 
 
畳み職人のたっくんが届けてくれた畳み!
これにて車の改装も完了した。
たっくん(中島タタミ店)の作る畳みは美しい。
職人の鑑だなぁと密かに思っている。
もの作りに必要な要素を全て持っているんだと思う。
その畳みで寛ぎながら海を見つめる2人。
海は大波、アラレも少々。
 
 
こんな風に家族3人で(+猫)で旅できたら幸せだね~と。
どっかで合流して共に過ごしたいねと。
さぞ、楽しいだろう。
それはそれ。でも基本は一人でないとダメなんだ。
その時間こそが大事だと思うから。
真剣に海と対峙する。
海とのみ対峙する。
それが一つのテーマ。
でもやっぱり、さびしい。。。
 
 
撮影道具たち。
ニコンD610 ×2 D80×1
anthisのハウジング×2
イノンのストロボ×5
イノンのライト×2
フィッシュアイのライト×4
それにTG4とgopro
これが主な撮影道具。
レンズは、、、まぁいいや。
 
 
一昨日はなんと送別会なるものをしてもらった。
勝手に旅立つだけなのに。。。
暖かい品々を色々もらった。(写ってないものも)
ありがとう(涙)
 
 
 
テルはステッカーを作ってくれた。
怪しくないよという怪しい文字入り(笑)
 
こんなことをしていて生きていけるのだろうか。
と、思われているかもしれない。
でもそれは、誰よりも僕が思っている。
大丈夫だろうかと。
不安と希望が入り乱れる日々の中で
気がつくと周りの世界も動き出している。
まぁなんとかなるだろう。
いつからか、常にそう思えるようになった。
なんとかしよう。
 
でも明日の船は怪しい。
風が強すぎる。
家がマラカスの様に打ち震えている。。。
 
 

2.26.2016

100分の1



アカモンガニの放仔  屋久島・一湊
NIKON D610  Kikkor 105mm F/2.8
NexusD610 Inon s-2000 Fisheye-FIXneo2500DX
ss1/250  f11 iso560

赤紙をもらった兵隊の気持ちが1%くらい分かったような気がする。
家族と離れ離れになるのがさびしい。
たまには感傷的な気分にもなる。

でもタイトルの「100分の1」は気分ではなく、ライトの光量のこと。
今回は写真集「豊饒の海」よりの一コマ。
生態シーンをしっかりと記録に収める事は大きなテーマのひとつ。
経験や感も大事だけど、それはまたそのうち。
この時は器材に大いに助けられた。
フィッシュアイ社から出ているFIXneo(2500DX)は大光量が売りの一つで、
僕は動画撮影用に2つ入手した。
大抵はフォーカスライトに使用。
安定した光で、残量も1分単位で分かるのが嬉しい。
でも個人的に一番嬉しいのは、光量調整が1%単位でできること。
これは生態派のダイバーにはたまらない。



写真のアカモンガニは夜しか見かける事はないけど、
夜でさえ滅多に見かけない。かなり警戒心の強いカニだと思う。
この時は海底をガシガシと歩いている姿を発見。
珍しいなと思いライトを当てて確認すると抱卵していた。
しかも雰囲気がある。これはハッチアウトをするに違いない。
そう確信できた。
刺激を与えてはまずいと思い、ライトの光量を下げ、
ストロボとカメラの絞りも調整していると、岩陰に逃げ込んでいった。。。
遅かった。強烈なライトにすっかり嫌気がさした様子。
ゴメンゴメン。
まぁこういった時は、待つのみ。
警戒心が相手の警戒心が緩むのをひたすら待つだけ。
光の量を5%くらいまで落としてジッと待つ。20分くらいたっただろうか。
しかし一切動かない。。。
闇の中でも眼が慣れてくると5%の明かりも眩く感じられてくる。
フォーカスをあわせるのにはできればこれ位欲しい所。
しかし肝心のハッチアウトが見れないのであれば、どうしようもない。
そこで光量を1%まで落とした。
闇に眼が慣れていると、それなりに見えるもの。
フォーカスは全神経を網膜に集中すれば7割くらいわかる。
あとは感だ。
5分くらいするとカニがモジモジし始めた。
やはり光がストレスになっていたのだろう。
いよいよハッチアウトか?といった頃に1枚写真を撮ってみた。
露出はバッチリ。
しかし、カニはまた岩の奥に逃げ帰ってしまった。。。

結局1時間ほど粘った頃にようやくハッチアウトが始まった。
折りたたまれた足がウィーンと伸びた瞬間に興奮は最高潮。
待ってて良かった。
こういったシーンは待った時間に比例して感動の値も大きくなるように思う。

薄闇でアカモンガニと対峙した時間が懐かしい。
その時に、闇の中では甲羅の模様が化け猫のように見えることを発見。
岩陰からずっと化け猫に睨まれているようで、薄気味悪かった。。。
これも眼状斑なのだろう。

100分の1の光量。
今では僕にとっては欠かすことのできない繊細で心強い機能だ。
そして最近では車内で5%くらいの光の量で使用している。
これもかなり便利!表示時間は999(分)と出るからまた凄い。
これも大事なたびのお供だ。

旅に向けて新しいライトも入手したのでまたそのうち、ライトについて書こう。



こちらは自作の新兵器「タケルさん」を使用。
兵器と呼ぶにはあまりにもおちゃめ。
こちらもそのうち紹介しようかな。

旅まであと4日。

【 屋久島水中・自然写真 高久至写真事務所 】

2.22.2016

ダウン・ツ・ヘブン

旅立ちまであと1週間。
車の改装を始めてなんだかんだで4ヶ月。
楽しめる範囲でコツコツとやっていると、結構時間がかかるもの。
ダイビングで2年くらい乗ったホーミー(日産)
 

錆がを隠すためにペンキを塗る。

ゴムマットでクッション&防水。
 

色々と製作。
 

これが一番悩んだ!
電気系統。
電気の知識は皆無。
電気で思い浮かぶのは、
フレミング右手の法則くらい。
それすらも何のことだか覚えてないけど。。。
でも、これは、プロフェッショナルの桜井さんに
助けてもらったので、なんとかできた。
何から何まで助けてもらい本当に助かった~(涙)
ありがとうございます!!!

サブバッテリー設置。
無事に電気を使えるようになった!
ソーラーパネルは予算と、効率を考えて保留。
節電すればそう走行充電と延長コードによる充電で
十分まかなえる気もする。
そのために電気は全て低燃費のLEDに変えたし。
電力消費の大きそうなものは一切つかわない(電子レンジとか冷蔵庫とか)
 

タンクは11本積めるようになった!
これで補給地が少なくても安心。
ケースが一つ逆さまなのは、、、設計ミス!
こんなお茶目なミスは同時多発的に発覚。
 
 
 
天気の良い日は常にニャタ様が占拠!
正直なところ、、、
かわいすぎる!
親ばか(笑)
 
 

一気に飛んで今日の写真。
9割方完成。
細かいところをトントン。
だいぶ家らしくなった。
後はパソコンをどこにどう置くか。
調理関係をどうするかを実践的に確かめる。
 
 

一番重要な電気回りを整備。
もって行く図鑑や資料も整理。
 
日本を巡る旅。
帰ろうと思えばいつでも屋久島まで飛んで帰れる。
数時間。少なくとも24時間。
その安心感は計り知れない。
昔旅をした時にふと思ったことがある。
インドの最北の僻地ザンスカールの丘の上で、
感じた感動と孤独。
果てしなく広が李を見せるく世界に感動を覚えつつも
自分の知らない世界へと迷い込んでしまった焦燥感。
一体何日あれば日本に帰れるのか。
そんな事を想像するのも
億劫になるような世界に支配されていた。 
10年以上も前の事だけど、
あの時を考えると日本は安心できる。
でも、今は独り身ではない。
帰る場所がある。
守るべき場所がある。
それは弱みであり、強みでもある。
いつでも帰れる。
その安心感を胸に思う存分
日本の海を感じよう。
それが、未来への大きな一歩だと信じて。。。
 
 
佐藤岳彦×高久至「ひとりぼっち×カメラという快楽 〜密林とか、海の底とか〜」写真展『NATURE CRAZYS』開催記念
4月16日。
下北沢のB&Bにて、ひとりぼっちの僕らが語ります。
是非お越しください!!!
 

2.17.2016

気が早い。

旅立ちまでちょうど2週間。
ソワソワしてきた。
長旅の上に車生活なので準備に手間取っている。
必要なものを一気に頼んでいる。
車検は終わって、免許更新も手続きが終わった。
車に敷く畳も頼んだ。
カーナビは今日届いた。
車の内装はあと少し。
旅の秘密兵器も色々と作成中。あと少し。
ルーフキャリアも到着して、改造もあと一歩。
カヤックは洗った。
下からサツマゴキブリが多数と手のひらサイズのクモとヤモリが出てきた。
カヤックの名前をサツマに改名。。。
新しいガラスのドームポート(anthis)を頼んだ。
これが一番テンテンション上がった!いい写真撮るぞ~。
ダイビング器材は予備を一式準備。
そして、夜中になって調理道具を準備し始めた。
塩、砂糖、香辛料、梅干し。。。
梅干しは洋子ママが送ってくれた塩分濃度20%以上は確実にありそうなやつ。
常温でも1年くらいきっと大丈夫。
でもさすがに気が早かった。
あと2週間しかないけど、まだ2週間もある。
もっと他にやることがあるはず。


気分を盛り上げるためにブログのトップ画像を変えてみた。
気分と同時に文面もちょっと盛ってる(笑)
今日はそれが写真替わり。。。

2.12.2016

水中眼状斑ランキング




シモフリタナバタウオ
NIKON D610  Tamron 90mm F/2.8
NexusD610 Inon s-2000 FIXneo2500DX
ss1/180  f6.7 iso560
屋久島 一湊

眼状斑界の三崎君(ガラスの貴公子)が現れた。
普段岩陰にいるのに、堂々と表の世界を泳いでいた。
しばらくすると、いつものように岩陰で見え隠れ。
岩陰では頭を奥にして、しきりに眼状斑を見せ付けていた。
効果は絶大。なん度も見ていてもハッとする。 
水中眼状斑ラインキングがあったとすれば、結構上位(17位)だろう。


ホシススキベラ幼魚
水中眼状斑ラインキングは下位(149位)だけど、
キュートな眼状斑ランキングでは上位。
「ぐへへへ。このかわいい顔(ニセの眼の方)を食べてやろう」
なんて魚もいるはず。



シチセンムスメベラ
幼魚の時には背鰭に2つ、成魚になると眼状斑はなくなる。
水中眼状斑ランキングもキュートな眼状斑ランキングも共に下位(293位)。
でも本物の眼と同じ大きさで、地味に効果がありそう。

旅の予定がだいぶ決まってきた。
3月1日出発(大体それくらい)で4月中頃まで九州(東シナ海側)。
6月いっぱいは日本海側の海山口~青森。
10月くらいまでは北海道。
その後、岩手から太平洋側を南下しよう。
まぁ旅なので基本は成り行き。
どうなるかは分からない。
でも準備が整ってきてソワソワしてきた!


【 屋久島水中・自然写真 高久至写真事務所 】

2.07.2016

家族で車中泊。

旅に出る前の予行演習その2。
今回は家族3人。ニャタロウはお留守番。。。
実際は一人なので荷物をたくさん積んでも、比較的ゆとりはあるはず。
今回は快適な睡眠を最優先したから、家の敷布団と毛布をしこたま積み込んだ。
電気の消費量もどれくらいなのか気になったので、PCでDVDも見た。
ライトは消費電力の多い、40Wの白熱灯。実際はLEDの5Wくらいにするだろう。
PCは15Wくらいだったかな。
1日終えた感じだと、走行充電が思ったほどたまらない。
走行は合計2時間。バッテリー要領が60%→40%くらい。
まぁこんなものか。でもなんとかなりそう。

温泉に入って、美味しい湧き水の出るところ(やまんこ公園)で泊まった。
米を鍋で炊いて、インスタントカレー。妙に美味いのはシチュエーションの効果かな。
水も美味しいし。
家にいるとPCばかりやってしまうけど、環境が違うとやることも変わる。
トランプを遅くまでやって寝た。
朝は7時過ぎから、町営の尾ノ間温泉。
これが最高に気もち良い。



朝ごはんは春田浜に移動して、バナナパンケーキと挽き立てのコーヒー。
空気は冷たいけど、清々しい。



イワタイゲキが生える原っぱを散歩。
低いけど濃い虹が現れる。
太陽も眩しい。
北部はなかなか味わえない良い朝。
 
 

タイドプールでは海藻が目立ち始めていた。
ボウアオノリとスジアオノリ?
真ん中の辺りがボウアオノリで端っこの細いのがスジアオノリかな??
こう言った時にオリンパスのTG4は大活躍。
カメラをそのまま海に入れてパシャっと。 
 
 
ハクセキレイ
NIKON D610  Nikkor  F5,6
ss1/180  f5.6   iso560
新兵器が届いた。
もちろん北朝鮮の様な飛び道具ではない。
ニコンの新作望遠ズームレンズ200-500mm。
ロケットが飛び出しそうな大きさ。
届いた箱を見たときは、違うものかと勘違いしたほど。
うちのデブい猫がすっぽり入るくらいの箱だった。
出番は滅多にないだろう。水中じゃあ使えないし。
それでも、ここぞと言うシーンにどうしても必要なレンズ。
かなり重いけど、手振れ補正もついているので、手持ちでも結構撮れそう。
試しに、家の周りで小鳥たちを撮影。
相当楽しかった。
鳥のかわいさをたくさん発見。
見る視点を変えるだけで、こんなにも楽しくなるものか。
あれを撮るのが楽しみだ!
 






2.05.2016

眼状斑は続く。


ヒレボシミノカサゴの眼状斑
NIKON D610  tamron 90mm F/2.8
NexusD610 Inon s-2000 FIXneo2500DX
ss1/125  f11 iso560
屋久島 一湊 北西・波1.5~2m

今日は久しぶりにプランクトン!
エントリーした瞬間にテンションアップ!
サフィリナ、ベニクラゲモドキ、ヒョウタンハダカカメガイ、クロタチカマス科の幼魚などなど。
でもブログは眼状斑(パート3)。昨日はイッチを寝かしつけてたら一緒に寝てしまった。。。
スズメダイが眼状斑の代名詞と書いたけどヒレボシミノカサゴはまた、凄い。
眼状斑が服を着て歩いているような?
いや、眼状斑がウロコを纏って泳いでいるような魚かな。
ミノカサゴの仲間だけど、胸鰭の付け根には眼状斑はない。
シマヒメヤマノカミと違ってすぐに納得できる。
こんだけ立派な眼状斑が背ビレの軟条部にあれば必要ないのだろう。



眼状斑について少し調べてみた。
基本的な機能としては、防衛の手段だろう。
単なるデザインの一部という生物もいるかもしれないけど。
眼状斑の主な効果としては何パターンかありそう。

①:ニセの眼を背鰭や身体の後方に持ってくることで、
 頭や、内臓などの重要器官を食べられないようにする
 (チョウチョウウオやスズメダイなどはこれ)
②:迫力のある模様で威圧する
 a:捕食者の天敵の眼を身につける(鳥の場合はフクロウやヘビ)
 a':単純に恐ろしげな模様で威圧する
 b:後ろに目を作ることで相手を認識していると思わせる
   (気付いている相手を苦労してまで食べない)
 c:目玉模様ではなくてもパッと派手な模様を見せることで驚かす(フラッシング効果)

 スズメダイやチョウチョウオは①のタイプ。ミノカサゴの仲間は②のbかcだろう。
陸上では芋虫や蝶が捕食者である鳥の天敵(ヘビやフクロウ)の眼に似せた模様を
身につける。水中では明確に天敵を意識しているだろうか?思い浮かばない。
鳥は芋虫の眼状斑を見ただけで、相当びびるらしい。
その効果を検証した研究も進んでいる。
シモフリタナバタウオはハナビラウツボに似せていると聞くけど、一体なぜ。
どうせ似せるなら、ドクウツボ(獰猛)やニセゴイシウツボ(大きい)の方が怖そうだけど。
ハナビラウツボってそんなに怖いウツボなの?

ミノカサゴの仲間の眼状斑はどれだろう。
a'とbとc とそれぞれ考えられる。
前回は眼状斑が生態行動によって変わってくるのかも、と書いたけど
眼状斑のもつ効果にもいろんな種類がありそうだ。
大雑把には分かった気がする。

そんな中で今、一番悩んでいるのはこれ↓

カンランハギ
本物の眼をフォトショップで消してみた。
眼状斑と言われる理由も良く分かる。
まるで眼!



本物の眼を戻してみる。
しかし、、、これが眼状斑だとすると一体なんの効果があるのだろうか?
眼のすぐに脇にあるから①ではないよなぁ。迫力はないから②でもないはず。
横向きだけど正面っぽく見せるとか?う~ん。



ニセカンランハギ(通常体色)
前の2枚はクリーニングされているところで、色彩が通常より白っぽい。
この写真の子は普段の色合い。(これもクリーニング中ではあるけど)
それとストロボ光の当りが弱いために見え方が違う。
この状態だと、眼状斑が目立たない!
なるどなるほど。
そういうことか。

どういうことだ??
この手の眼状斑も多い。
もう少し魚になりきらないと見えてこない。
眼状斑奥深し。


【 屋久島水中・自然写真 高久至写真事務所 】

2.03.2016

眼状斑がない。

シマヒメヤマノカミの幼魚
NIKON D610  tamron 90mm F/2.8
NexusD610 Inon s-2000 FIXneo2500DX
ss1/125  f11 iso560
屋久島 一湊
前回の続き。
キリンミノとネッタイミノカサゴの眼状斑が中々に効果的だと感じたので
他のカサゴたちも気になった。
ハナミノカサゴも眼状斑があるはずだけど、魚自体が見当たらず。。。
いつもこの辺にいるのになぁ。
しょうがなく、その辺をウロウロしていると、ロープの塊にシマヒメヤマノカミを発見!
図鑑を見る限りハッキリした眼状斑は確認できなかったので 
これはじっくりと確認してみよう。
あれ。やっぱりない。
なんでだろう。
 
 
シマヒメヤマノカミ
砂地を徘徊しながら考える。
幼魚だからか?いや、たしか大人でもそれらしいのはなかったはず。
では、生態の違いだろうか。
キリンミノもネッタイミノも比較的明るい場所に出て、優雅に泳ぐ。
餌を食べるため、縄張りを巡回するために。
だから良く見かけるし、目立つ。
一方シマヒメヤマノカミは目立たない。
小パッチやロープ、土嚢などの隅っこでジッとしている姿しか見かけない。
まともに移動している姿は繁殖行動の時くらい。
驚かすとすぐに、ロープの奥の方に引っ込んで姿が見えなくなってしまった。
 
う~ん、シマヒメヤマノカミの場合は鰭を広げて眼状斑を見せびらかす事よりも、
岩陰に逃げ込む方を優先してるのだろうか。
平地で泳ぎまわらなければ、眼状斑はそれほど必要ない機能なのかもしれない。
1枚目の写真はロープから砂地に追いやって、
なんとかヒレ全開の後姿を収めることができた。
そうでもしない限り、臆病な魚なので、撮るのが難しい。
 
僕としては少しだけ納得した。
行動の違いが身体の模様に変化をもたらす。だとしたら中々面白い!
でも岩の奥に逃げ込まないシマヒメヤマノカミもたくさんしている。
驚かしても鰭を全開にすることはなかったように思う。
何でだろう。
まぁボチボチ考えていこう。
 
一つ思った事は存在の理由を証明するより、
存在しない事を証明するほうが難しいということ。
ひょっとしたら、何の理由もないもかもしれないし。
 
 
浅場に戻ると、眼状斑の代名詞を引き受けてくれそうな
クロメガネスズメダイがいた。
巧妙だなぁ。
どっちが本物の眼だろうか?
散々悩みながら撮影した。
と、言いたい所だけど、これに騙されるほどピュアではなかった。。。
 
 

【 屋久島水中・自然写真 高久至写真事務所 】