2.28.2023

アイスアルジーとブライン

2023/02/14 - 24
北海道・羅臼・ウトロ
水温 -1℃ 透明度10-15m

ブライン(Brine)

サハリン北東部のオホーツク海からやってきた流氷は
海を漂いながら成長して北海道の沿岸たどり着く。
流氷の生成時に凍るのは主に真水なので
塩分の高い水が氷の中に残されるが、
この高塩分水がブラインと呼ばれるものだ。
ブラインは高密度で低温のため海の底へと沈み
それを補うように海底に溜まっていた
栄養塩の豊富な海水が湧き上がってくる。
この海水の鉛直移動がオホーツク海の
豊かさの一つであるとされている。
少し話を広げると
海水が地球全体の海洋を数千年かけて巡るという
海洋大循環の始まりは
ノルウェー沖や南極などで大規模な
ブラインの沈み込みによるものだ。

今回一番の幸運はこのブラインに出会えたことだろう。
初日にうっすらと見えるブラインを新倉くんが興奮気味に
紹介してくれたことからも、
知床でこの現象が見られることの
貴重さが窺い知れた。



ブラインとハロクライン
海水に塩分差が生じることでブラインが目に見える形で現れた。


アイスアルジー(Ice algae )
言わずと知れた?流氷の恵みの一つ。
流氷に閉じ込められていた珪藻や藍藻などの植物プランクトンが
太陽光によって大増殖し流氷が赤茶色っぽく色づいた。
アイスアルジーの生成にもブラインが抜け出た流氷の隙間や
海水の流れが関わっているようだ。


ストロボを当てて撮影したアイスアルジー




オキアミ
最終日に流氷の一角でオキアミが群れていた。
流氷を巡る物語の大事な生きものなので
撮影できて嬉しかった。
でも関さんが流氷の上からずっと手招きをしてこのシーンを
教えようとしてくれていたことの方がもっと嬉しかったな。


流氷以外にもたくさんの生き物に出会えた。
クリオネを始め、ミジンウキマイマイやタラバガニ。
キタユウレイクラゲもたくさんいた。


ナメダンゴの抱卵


ヒダベリイソギンチャクに囲まれるアバチャン

たくさん撮りすぎて紹介しきれないけど
今回も流氷と流氷に生きるものたちを堪能させていただきました。
関さん、青柳さん、新倉くん大変お世話になりました!





2.26.2023

流氷は生きている!?

2023/02/14 - 24
北海道・羅臼・ウトロ
水温 -1℃ 透明度10-15m


オオワシ

伊豆大島からひとっ飛びして
北海道の知床へ。
冬の羅臼はちょー久しぶり!
相変わらずのツンデレな海だった。

お世話になったのはもちろん
関さんのいる知床ダイビング企画さん
今回も思いっきり遊ばせていただきました。

そんで今回は陸の写真のみ。
たくさん撮ったからな〜。
次回は海の中を!?


ウトロ側で見た流氷


今回は知床半島の東側の羅臼と、西側のウトロを
両方潜る予定でやってきた。

羅臼側は流氷が接岸したり離れたりを繰り返すので
流氷があればラッキー。去年の2月はあんまり流氷はこなくて
3月も終わり頃に当たっていたとか。
でも今年は到着日に流氷が接岸して大喜び!
持ってるなぁ。
と喜んだのも束の間、
翌日の潜水日にはほとんどなくなっていた。


ウトロ側では基本的には流氷がずっと接岸している
(近年は離れる日も増えてきているけど)ので
存分に流氷を撮影しようと思っていたら
潜水予定の2日間共にウネリで潜れず。。。
流氷最盛期にこんなことは今までなかたらしい。
年々氷の規模が小さく薄くなってきているのは確かなようだ。
数十年後にはたまにしか流氷はやってこなくなると言われている。
近年の海中変化の移り変わりの速さを考えると
そんな日は思っている以上に早く来るのかもしれない。
そんなことを実体験できたことが今回一番の収穫かも。


ウトロでの流氷ダイビングの風景

準備は万端でも、、、うねりがとれない。
ドローン飛ばしたり、陸撮したり、
網走で鯨展見に行ったり、
でも主には長明さんと呑んでいただけ(笑)

流氷ダイビング主催のロビンソンの西村さんには
お世話になりきれず、冷やかしただけで終わってしまった。。。
また再チャレンジさせてください!

そんなわけで結局ダイビングは
羅臼側のみとなってしまった。
自然相手だから仕方がない。


ラストダイブとなった日の羅臼
流氷に覆われた!

羅臼側では流氷にそこまで期待していなかったけど
気がつけば思う存分氷の海を楽しんでいた。
ほんと流氷って生き物みたいに動くから面白い。
ちょっとの風で着いたり離れたり。




流氷もなく吹雪いている日もある。
そんな日は生き物とじっくりと向き合って、


流氷がきた晴れた凪の日は
浅瀬で氷と戯れた。


浜に打ち上げられた流氷


流氷の下をのぞくと
不思議な世界が広がっていた。




凍った海表面と干満差によってできた景色。
磯では海が作り出した氷のアートがたくさん見られた。



ヒバマタ
北国の磯を代表する海藻!?
レチェルカーソン読んでるとよく出てくる。


寒フノリ(フクロフノリ?)
食用となるフノリ。寒フノリと教わったけど
和名はわからない。調べるとフクロフノリが一番近いのかな。


色の抜けたスジメ
流氷がきて淡水化したことによって真っ白に。
左脇の茶色っぽいのはギンナンソウ。
これもまた美味しい海藻。
北の海中は美味しそうな生き物だらけだけど
磯もみんな美味しそうだった。




磯に打ち上がっていた海藻を持って帰って宿で食べてみた。
コンブやギンナンソウは漁業権があるから取っちゃダメだけど、
このマイナーな海藻なら大丈夫なはず。


ヒバマタはえぐみがあったけど他はどれも美味!!

ではではまた。


2.13.2023

伊豆大島〜おおばいわしの大漁だ!〜



朝焼け小焼だ、 大漁だ大羽鰮(おおばいわし)の 大漁だ。(金子みすゞ)



20cm以上はあるマイワシ


屋久島から鹿児島へバル号Ⅱで渡り、

船のメンテナンスを整備士さんと

康司に丸投げして自分は旅へ、、、。

やってきました。

伊豆大島!

去年は手術になってしまい来れなかったのでようやく来れた。

前日に連絡があって、海況はかなり悪いらしい、、、

マイワシも今年はダイビングポイントにあんまり現れていないとか、、、

どうしますか〜?(本当に来る!?)って聞かれたけど、来てよかった〜。

結果は大当たり!





今回は伊豆大島ダイビング連絡協議会さんにサポートして

頂きながらの取材となりました。




特にお世話になった皆さま。









夜明けごろ到着し海侍池田宜生さんに迎えに来ていただいたものの
寒波!!寒い!!島北部のメインポイント、秋の浜は時化!
ふ〜。。。
さてどうしますか、と思っていたところに島南部の
素敵な情報でトウシキへ。


時化てるけどギリギリ潜れそう!





到着してみると水面にカモメが群がりなんだか期待感がある!
そこへちょうど上がってきた小川さんよりトウシキの
迷わない潜り方と潮流を教えて頂く。
そしたらなんと、、、いきなりのマイワシの大群!!
ひえ〜〜〜!!!


気がつくとあたりがマイワシで何も見えない!!
マイワシが頭上を覆うとほぼ真っ暗!!
あれ??
ここどこ??
結構潮の流れきついし、地形がぜんぜんわからん!
あたり一面イワシのみ!!
贅沢だな〜でもこれって、
ひょっとして大ピンチじゃない!!??






まぁ無事に戻れたけど、ビックリしたなぁ。


クロマグロ
調子が良かったので2本目も3本目もトウシキヘ。
マイワシの群れが動いたかと思うとクロマグロやキハダマグロ、
それにサメがビューンときた!
えーっ!!???
こんなに簡単に野生のクロマグロがみれたていいの!?
普段は見かけることがないけど
マイワシがくると一緒にマグロも現れるらしい。

全てナイトロックスで潜りました。
そのおかげでチャンスを逃さずに、
そして安全に撮影することができた。
ナイトロックス本当にありがたいなぁ。



なんかサメもいっぱいいたぞ。
もう何が何だかわからない!






池田さんと中村卓哉さんみっけた!
卓也さんは何かの取材で来られているとか。
みんなでイワシと戯れる。




アオウミガメとマイワシ
もう何が何だか分からないくらいイワシ!!
そんで気がつくと流れはどんどん強くなりかなりしんどい。
大島ダイバーってみんなこんな激流の中潜っているの!?
と思っていたけど、これ以上ないくらいの激流だったとか。
きっと潮が変わってそれでマイワシも寄ってきたのだろう。




アカハタとマイワシ


2日目は秋の浜
ここにもマイワシがやってきていた!
でも1本目はスカスカ。
2本目は当たり!!
3本目はちょろっと。
あたりにカモメはたくさん飛んでいていい雰囲気なんだけどなぁ。


マクサ(テングサ)
最終日は北へ南へとイワシを探すも見当たらず。。。
おかげで?ようやく大島の海を落ち着いてみることができた。
秋の浜の海底は紅藻類がすごい!
一面真っ赤。
知らなかったけどテングサの産地として有名な島だった。


 


ハコフグ
可愛くてなんとなくとってしまう。






ショウジンガニ
磯遊びもちょこっと。
ウメボシイソギンチャクも見れた。





3日目はバタバタと潜って東海汽船に乗り込んだ。
海侍のゆかりさんが送迎&お見送りをしてくれた。
船が出ると子供達と一緒に遠い港の先っぽまで走ってくれて
うるうるっときた。

短い取材だったけど本当濃密だったなぁ。


お世話になった皆さま
ありがとうございました!!
伊豆大島の魅力にどっぷりと浸かってしまいましたよ。
うん、また必ず帰ってこよう。