9.09.2015

辺野古の海を思う

春に遊びに来た小室さんより届いた!
辺野古(沖縄本島の北東部)で潜っていると話を伺い、
興味津々であれこれと聞きまくっていたからか、
よっぽど好きものと思われたみたい(笑)
 
基地移設問題で揺れる辺野古の海。
この海には思い入れがあって2003年に一度訪れたことがある。
大学4年の夏、卒業論文の調査を大義名分に沖縄を旅した際に訪れた。
すでに移設問題の真っ只中で住民や勇姿による座り込みが行われていた。
僕はちょろっと参加をして、
あとはオバァに辺野古の海を聞いて回った。
ちなみにイノー(干潮時に出来る海の畑)が卒論のテーマ。
農業大学だったので、畑を絡めて。。。
無理やり感いっぱいでギリギリでアウトだとは思うけど
どうしても沖縄の海に行きたかった!(笑)
干潟を歩いて、生き物観察もした。
ミナミコメツキガニの大集団が出たり引っ込んだり、
あの駆け引きは今でも鮮明に覚えている。
漁師さんにもお世話になり、
深海一本釣り漁にも連れて行ってもらった。
アオダイが面白いほど釣れて、オジィもご機嫌だった。
オジィの胸には幼少期に噛まれたサメの歯型がくっきりと残っていた。
この海に寄せるオジィの思いも聞いた。
 
そしてその当時の僕が知りえなかった、
辺野古の海の中の様子をこの本を通して知ることが出来た。
一番、驚いたのは、マジリモクの林。
 春には高さ7mにもなる壮観を作り出す。
屋久島でも今ではほぼ見られない、ホンダワラの仲間が
これほどに活き活きとしていることに衝撃を受けた。
沖縄でもこのマジリモクはここでしか確認されていないらしい。
そして現在この場所は、ボーリング調査の区域に入っているとかで
潜る事は出来ないらしい。
このまま基地の移設が進めば、もちろん無くなってしまう。
マジリモクの林だけではなく、この辺野古の海には
貴重な生き物も多く、262種(水鳥含む)の絶滅危惧種も確認されている。
またジュゴンのやってくる海としても知られている。
この本には辺野古の海の素晴らしさが濃縮されている。
消えゆこうとするこの海を、
一人でも多くの人に知って欲しい。
 
難しい問題はたくさんあるかもしれない。
でも僕が一つ、これだけは確信している事がある。
日本の海辺環境はこれ以上、
たったの1平方メートルたりとも、
損なわれてはならない。
海を削ってまで得られる幸福は現代の日本にはもう無い。