2.03.2016

眼状斑がない。

シマヒメヤマノカミの幼魚
NIKON D610  tamron 90mm F/2.8
NexusD610 Inon s-2000 FIXneo2500DX
ss1/125  f11 iso560
屋久島 一湊
前回の続き。
キリンミノとネッタイミノカサゴの眼状斑が中々に効果的だと感じたので
他のカサゴたちも気になった。
ハナミノカサゴも眼状斑があるはずだけど、魚自体が見当たらず。。。
いつもこの辺にいるのになぁ。
しょうがなく、その辺をウロウロしていると、ロープの塊にシマヒメヤマノカミを発見!
図鑑を見る限りハッキリした眼状斑は確認できなかったので 
これはじっくりと確認してみよう。
あれ。やっぱりない。
なんでだろう。
 
 
シマヒメヤマノカミ
砂地を徘徊しながら考える。
幼魚だからか?いや、たしか大人でもそれらしいのはなかったはず。
では、生態の違いだろうか。
キリンミノもネッタイミノも比較的明るい場所に出て、優雅に泳ぐ。
餌を食べるため、縄張りを巡回するために。
だから良く見かけるし、目立つ。
一方シマヒメヤマノカミは目立たない。
小パッチやロープ、土嚢などの隅っこでジッとしている姿しか見かけない。
まともに移動している姿は繁殖行動の時くらい。
驚かすとすぐに、ロープの奥の方に引っ込んで姿が見えなくなってしまった。
 
う~ん、シマヒメヤマノカミの場合は鰭を広げて眼状斑を見せびらかす事よりも、
岩陰に逃げ込む方を優先してるのだろうか。
平地で泳ぎまわらなければ、眼状斑はそれほど必要ない機能なのかもしれない。
1枚目の写真はロープから砂地に追いやって、
なんとかヒレ全開の後姿を収めることができた。
そうでもしない限り、臆病な魚なので、撮るのが難しい。
 
僕としては少しだけ納得した。
行動の違いが身体の模様に変化をもたらす。だとしたら中々面白い!
でも岩の奥に逃げ込まないシマヒメヤマノカミもたくさんしている。
驚かしても鰭を全開にすることはなかったように思う。
何でだろう。
まぁボチボチ考えていこう。
 
一つ思った事は存在の理由を証明するより、
存在しない事を証明するほうが難しいということ。
ひょっとしたら、何の理由もないもかもしれないし。
 
 
浅場に戻ると、眼状斑の代名詞を引き受けてくれそうな
クロメガネスズメダイがいた。
巧妙だなぁ。
どっちが本物の眼だろうか?
散々悩みながら撮影した。
と、言いたい所だけど、これに騙されるほどピュアではなかった。。。
 
 

【 屋久島水中・自然写真 高久至写真事務所 】

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