11.28.2017

期間限定オリジナルプリント販売 

今年も残すところあと1ヵ月。
予定は何にも入れていないので、
存分にこれまでの整理をしていきたいと思う。 
 
春に一年間の日本の旅を終えて 、今年、来年は
離島をちょこちょこ周ろうと決めていた。
来年で日本の旅も一区切りできるかな。
もちろん日本の海は生涯のテーマだけど、
日本の海ばかりを見ていても日本の海の事は分からない。
屋久島にいるだけじゃ屋久島の魅力が分からないのと同じこと。

日本の旅をまとめた何かは今準備中。
もう少し時間はかかりそうだけど、必ず形にしよう。


ひとまず写真販売をすることにします。
日本の海から5点厳選しました。


1 水くらげ (知床半島)


2 礼文島のとゴマフアザラシ (北海道)
※タイトル変更しました。


3 アカモクの森 (長崎)
 
4 流木と魚 (屋久島)

5 アオウミガメと光 (屋久島)

作品は美術展でも展示できるクオリティの仕上りです。
最高品質の紙に耐光性に優れたプリントをアクリル板に圧着してあります。
透明感があり、海の質感が良く出るのが特徴です。
裏面の木枠によって壁に掛けるだけで立体感がでます。


完成品
(※色合いは実物とは異なります。)
 
アクリル板と黒の塩ビマットでプリントを挟んでいます。

 後ろにサインとシリアルナンバーを入れさせて頂きます。
 
サイズ A3(420㎜×297㎜)
販売価格 46,500円 (一作品、税込み、送料込み)
※期間限定の割引価格です。
販売受付期間 11月28日~12月10日
yahoo!ニュースに載せて頂きました。
※12月17日まで延長します!
(受注分は制作を開始いたしました)
 
ご注文からお渡しまで1ヵ月程度かかります。
(できるだけ年内にと思っていますが。)
 
 
「ご注文方法」
下記のアドレスにメールにてお願いします。
facebookのメッセージでもOKです。
 
《記入事項》
1 お名前
2 お届け先の住所と電話番号
3 作品のタイトル 
4 注文点数
5 その他ご要望や、質問など
 
 
自宅鑑賞用、プレゼントなどに是非よろしくお願いします。
 (次なる旅の資金になります!)
 
 
 

11.24.2017

長崎県・五島列島 福江島 クジラのいた海

 2017年11月14-17日
長崎県・五島列島・福江島
水温20-21℃ 透明度5-10m 北西3m
やっと着いた~。。。。(涙)
屋久島を出てから22時間。
飛行機を乗り継いでトントンと来る予定だった。
それなのに空港から車で港へ行って、フェリーで鹿児島、
夜行バスで福岡、電車で福岡空港、そんでようやくの五島列島、福江島!
はぁぁぁぁ~。。。遠かったぁ。

まぁそれはそれで結構楽しかった(笑)
でも委託された仕事に2時間ほど遅れてしまった。

飛行機から見る五島の島々にまず感動。
思った以上の島嶼群。
九十九島を彷彿とさせる島なみであり、
海に降り立ってみると瀬戸内海や伊勢湾のようでもあった。
いずれもリアス海岸であって、
つまりは山地が沈み、谷が海水で埋まることで
海になったということだろう。
島々の間は潮流が激しく、干満差も大きい。

ネドコロノラ
今回は養殖のブリの撮影を頼まれてやって来た。
生け簀での撮影の3日間は単調でありながらも楽しかった。
意外なほどに難しかったし、学ぶことも多かった。
それらは公表できないので陸の一コマ。
田舎にあるゲストハウスで、オフシーズンだからか誰もいない。
一棟貸し切りで、超贅沢な空間だった。

でも寒い。。。
今年初の寒波が降りてきていて、最低気温6度。。。
裸足にベンサンの身には堪える。

隙を見ては海で泳いだり島を巡ったり。
西の海岸で潜っったり。

サンゴとイバラカンザシ、そしてシワヤハズが印象的。
でも魚は思った以上に温帯種が多い。
対馬暖流がドーンと当たってもっと亜熱帯っぽい、
屋久島に近い海だろうと想像していた。

カミナリベラの群れ。
 
ニシキカンザシヤドカリ

タワシウニ
磯焼けした地域で多く見かける。

サザエ
温帯の海藻は年々減っているようで、サザエにとっては深刻な問題だろう。

シワヤハズとエンタクミドリイシ
シワヤハズは屋久島の秋-冬に繁茂する海藻。
温帯種の魚が多いのに、海の景観は亜熱帯に偏ってきている。

大瀬崎からの展望
 
 定置網を直す漁師さん。
70くらいの年配ばかり。
若い漁師を全然見ない。
 
 捕鯨の資料

この一帯は捕鯨の一大拠点。
上五島には鯨見山という 山まであった。
 
鯨を食べる文化も根強いようでスーパーでも見かけた。

海を見れば、クジラが泳いでいる。
そんな地域が昔の日本にはたくさんあったはず。
 
鯨が増えて魚がいなくなったという声を聞くことがあるけど、
一昔前の資料を見れば、こんなにクジラがいたのか!?
と驚くばかりである。
 
五島のイメージは変化の真っただ中にある海といった感じ。
例えば屋久島は温帯だった時代を過ぎてほぼ亜熱帯に変わっている。
4,50年前の屋久島はこんな雰囲気だったのだろうかと考えたりした。
でも、やはり違うのだろう。
黒潮の当たり方や大陸や本土からの影響などに加えて五島の地形である、
亜熱帯化が進んでも屋久島とは違う。

手形包丁
「水泳の達者な若者が鯨に泳ぎつき、胴体に
すがってこの包丁で穴をあけ、綱を通した」

すげぇ。
想像してもしきれない。
そんなことが可能なのだろうか。
命がけであったに違いない。

対して潜れなかったけど、お次は中通島へ!
 

11.08.2017

三島(黒島・硫黄島・竹島)巡り

 2017年11月7.8日
鹿児島県:黒島・硫黄島・竹島
デン島(湯瀬)・ヤクロ瀬
水温24-25℃ 透明度20-30m 北東1.5m-2m 

黒島・硫黄島・竹島の三島を合わせて、
三島(みしま) と呼ばれる。
一昔前は十島村(じっとうそん)と呼ばれ現在のトカラ列島
 の島々と同じ村だったようだ。

毎年サンゴ調査という国の仕事で訪れていて
今年で7回目の参加となった。
屋久島の隣の島々とは言え気軽には来れないので
毎年の楽しみの一つでもある。
サンゴ調査自体もサンゴの事を考えて、
記録に収めるという楽しいもの。
更にそれとは別に、調査で潜ることもできるので
みんなウキウキなのだ。


宿泊した硫黄島と2日目に訪れた竹島は
鬼界カルデラの外輪山にあたる。
約7300年前に破局的噴火をしたとされていて、
当時、南九州に住んでいた縄文人は全滅したとも言われている。
そんな大噴火の痕跡を、島々を周りながら感じられるのも
この島めぐりの醍醐味だろう。
 
黒島
屋久島との間ではハンドウイルカ(?)が20頭ほどいた。
  
 この近海では随一のカッコ良さ!
デン島こと湯瀬!
 
 見る角度を変えると、
温泉マーク!?
 
カッコよさだけではなく
薩南諸島きっての回遊魚の多さで有名。
 
 硫黄島。
確か日本には3つの硫黄島があったはず。
「あの硫黄島ですか?」と良く言われるけど
あの硫黄島は小笠原の南にあるので当然違う。
この硫黄島は西側から見ると一番カッコイイ!
と常々思う。
 
湧き出る硫黄成分と海水が混じり合い
サビ色の海になる。
平家の流刑人、俊寛僧都の物語は
この島の哀愁をより深いものにする。
 
 竹島。
ちょうど鬼界カルデラの外輪にあたるところ。
垂直に切り立った崖が印象的。
島の植生はほぼ竹(大名竹)オンリー。
 
湯瀬の海中。
回遊魚は外れたけど、魚影はいつでも濃い。
シラコダイとナメモンガラの群れが屋久島にはない光景。
 
三島はどこへ行ってもイボヤギの群生が目を引く。
 
 カメノテ
屋久島では人気過ぎて島の周りにはほとんどない。
ここでは立派なカメノテが残っている。

 竹島。
サンゴ調査の一コマ。
 
竹島の沈船 
 
 スジハナダイに混じってなんか写ってた!
婚姻色を見たことないから分からなかったけど、
フチドリハナダイかな。


ソフトコーラルが多いエリアで生物も多い。

 
 最後に入ったヤクロ瀬は水族館のよう。
メジナ、イスズミ、オヤビッチャが沸くほどにいて、
その他雑多な魚たちが忙しなく泳ぎ回っていた。
 
硫黄島の東温泉。
強酸性でビリビリくる。
直前に怪我をしてしまったので、恐る恐る入った。
そしたらなんと、一瞬にして傷口が瘡蓋のようになった!
そんなに痛くなかった割りに効能が半端じゃない。
続けてビールを胃に流し込むと、
リラクゼーション効果まで加わった。
 
あ~極楽だぁ。
 

 



11.03.2017

「魚が食べられなくなる日」

 2017年11月3日
屋久島

日本の漁業に関する本を読み漁っている。
その中で、お勧めを一つ。

 

本の帯にはこう書かれている。

「ニッポンの海」の嘘と誤解
①魚の激減は中国漁船の乱獲のせいだ
②増えたクジラが魚を食べつくしている
③養殖があるから漁獲量が減っても大丈夫
④獲れないなら輸入すればいい
⑤日本は世界一の漁業大国

’’日本の漁獲量は最盛期の4割以下、
クロマグロ、ウナギは絶滅危惧種、
サバは7割、ホッケは9割減、
ニシン漁はほぼ壊滅状態、、、’’


日本の漁業や魚に関する本はたくさんでていて
同じようなニュアンスの本もたくさんあるけど、
最も分かりやすく、納得できる形(論理的)に説明されている。
内容はタイトルの通り、魚がいなくなりますよというもの。

特に素晴らしい点は
漁獲量や資源量に関する、過去から現在の統計が
様々なグラフでたくさん示されていていること。
印象的な言葉としては、

「漁業者の年齢以外は右肩下がり」(本文より)

資源量、漁獲量、輸入量、養殖業、漁業者人口などなど
すべてが減少している中で唯一上がっているのが、
漁業者の年齢という悲壮さ。

日本の漁業が危ない、なんて言葉では済まされない。
もう末期的状態である。

 そして本書の一番の魅力はその説得力だろう。

なぜ魚がいなくなったのか。
どうすれば魚が増えるのか。
いち消費者にできることは何か。
それらが鮮明に記されている。

 決して、危機を煽るだけの本ではない。
明るい未来がチラチラと見え隠れする、そんな本かな。

絶対に変わらなくてはいけないのは、
現在の漁業の制度。
しかし最も変わるべきは、
国民一人一人の認識なんだと分かった。

ダイバーも漁業者も消費者も中国人も関係ない。
日本の海を豊かにするにはどうしたら良いのか。

冬の夜長に是非読んでもらいたい一冊。