3.12.2016

水俣の海・アンズイソギンチャク 11日目

熊本県 水俣(湯の児島)
晴れ時々曇り 水温12℃ 透明度10m

夜中になったからか、急にfiwiの動きが良くなる。
昨日の夜に水俣入りして今日は朝一で潜った。
色々あって考え事をしながら潜ったけど、ここはじっくり潜るほどに
楽しさが込み上げてくるであろう場所だと思った。

NIKON D610  tokina10-17mm
NexusD610 Inon Z-240 FisheyeFIXneoPremium
ss1/30  f16 iso560
ムラサキハナギンチャク
朝日を浴びながら妖艶な触手を揺らしていた。
砂の質感が良い感じで生物がいろいろと隠れていそう。
じっくりとマクロで潜ったら違った楽しさがあるだろう。



アンズイソギンチャク
1本しか潜ってないので水俣の海をとても語れないけど
このアンズイソギンチャクは一つの特色だと思う。
浅瀬のいたるところにポツポツと付いていて、そればかりが目に入る。
触手が50本あることとその他の特徴からこの種であっていると思う。
すくなくとも図鑑に載っている種とは同じだろう。
この種の情報が少ないので結構貴重かもしれない。
こればかり撮ってしまったけど、撮っておいてよかった。



ウミトラノオとヒジキ
これまたビックリ!
昨日は長島の浅瀬でウミトラノオを少し見たけど、一種のみでまばらに生えていた。
それが水俣ではヒジキと均等に混じりながら生えていた。
水深2,3mのこの光景もなかなかにみ水俣らしいのではないだろうか。
もしかしたら熊本では他でもこうなっているのだろうか。
まぁ見て回ればわかることか。



ヒガンフグ
海藻に隠れて休んでいるところをそっと近づいて撮影。
うっかり逃げ遅れて、オロオロしていた。
ばれていないつもりだったのだろうか。。。


さて、ここからは少し長い。
今回の旅では日本の海を分かりやい形で紹介することと、
日本の海と人とのかかわりや現状も伝えたいと思っている。
写真家としての一歩となる旅ではあるけど、写真は出し惜しまず(95%)
純粋に日本の海の素晴らしさを紹介したいとも思っている。
今日あったことは、想像していたことの一つ。
善悪抜きに、あったことを書く。
決して誰かを批判する内容ではない。
ここは大事。
自分の愛するフィールドを大事に思ってのことだと理解できる。
そもそも旅人とは無責任という言葉が常に付きまとうもの。
地元の方々には極力迷惑をかけないようには心がけているつもり。
あるダイビングのお店に水俣で潜りたいとの。
伝えると不在につき案内できないと言われた。
もともと一人で潜るつもりだったので、それを伝えると
水俣の海は勝手に潜ることはできないと言われた。
漁師との関係を築いている最中であり、また密漁者に間違われて
漁師さんが迷惑するとのことだった。
ではスノーケルします、と伝えるとそれもダメだと言われた。
案内人がいない限り許されないと。
困った。。。
問題は水俣市漁協が過敏なことだろうか。
そこで漁協に電話をすると、とても緩い対応だった。
なんでこの人はそんな電話をしてくるのだろう、というような感じ。
潜水の許可は必要ないので潜ってよいですよとのこと。
海上保安庁にも一応電話を入れようかとも思っていたけど、
漁協がOKしてくれているのだから大丈夫だろう。
何より潜る場所が海水浴場だし。
しかし潜った後にもお店の人にはダメだよと言われた。
水俣の海は結局一本だけ潜って北上を開始。
道すがら考える。
この旅に出るにあたって、当然ながら調べたのは勝手に潜ってよいのかということ。
良いに決まっているだろうとは思ったけど、根拠が必要。
海岸法という法律がありすべての国民は自由に海を利用できる権利がある。
漁業権の及ぶ範囲では漁の妨げになるようなことをしてはいけない。
しかし妨げにならなければ漁業権の範囲内でも自由に利用する権利がある。
だから当然ダイビングをする権利は自分にはある。
問題はでも法律ではない、人の感情だろう。
屋久島でもよそから来た人間が勝手に潜っていたら、なんだこいつと思う。
でもそう思うだけで、別に潜るのは自由だ。
そこできちんと挨拶があれば何の問題も起きない。

漁師もダイバーも海辺の住民も、海を大切に思い接することができれば
それで良いのではないだろうか。
漁師ではなく、ダイバーの人に注意されるとは思わず少し驚いた。
まあ海の広さが些細な出来事をすぐに流し去ってくれることだろう。


ダイビング業者にとってはこんな風にふらっと来て一人で潜っていかれたら嫌だろう。
どこへ行ってもそれなりに嫌われるのかもしれない。
それでも倫理や道徳に反することがなければ、自分の信念に従って行動するのみ。
得体のしれない束縛に絡めとられて、動けなくなるのなら、
こんな旅はそもそも始めていない。
旅を始めるにあたっていくつもの覚悟をしてきた。
止まってる暇はない前に進もう。








海から上がるとさ寒そうに見えたのか地元のおばちゃんが温泉浴びてきな~と。
ドライスーツを洗うだけのつもりがしっかり温泉に入ってしまった。
3日ぶりの湯だったので極楽。
なにより人の温かさが嬉しかった。
温泉は垂れ流しのままおばちゃんは消えてしまい見つからない。
ポストカードにお礼を書いてこの海を後にした。


温泉船と湯の児島


今日の宿泊所。
武蔵塚。
宮本武蔵がここに眠っているという。
五輪の書が写し出されていたけど、なんて奥が深いんだろう。
今度は夜中までずっと海と自分について考えてしまった。



熊本市に来たのはこの人に会うため!
くまモンのように癒されるおじいさま。
おいしいご飯を頂いてしまった。
ありがたや、ありがたや。

ではでは。
もう少ししたら天草へ向かおう。



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