12.31.2015

林檎の木


NIKON D610  tamron 90mm F/2.8
NexusD610 Inon s-2000 FIXneo2500DX
ss1/250  f16 iso800
屋久島 一湊タンク下

海から離れたところから海のことを書くのはフェアじゃない気がして気が引ける。
プロレベルの話で。
毎日海に潜って、毎日海のことを考えて、その上で思ったことを書きたい。
それが当たり前の環境に住んでいても、棲家を少し離れただけでそれができない。
なんてもどかしい事だろうか。
1週間海を離れるのがこんなに辛いとは。。。
それは屋久島に置いてきたニャタロウと会えないレベルに、
もしくは夜中に家系ラーメンを食べてしまった翌朝並に辛い。
でももうすぐ懐かしい海に潜れるので大丈夫。
あれ、海の事なんて全然書いてない。

写真はヤギモドキウミヒドラ科の一種
この時期にクラゲ芽を育み放出する。
見た目からリンゴの木と呼んでいるけど
普通に言えばクラゲの成る木。
ヒドロ虫である本種はクラゲとして生きる期間と
樹木のような期間とを繰り返す。
紫色のクラゲ芽が漂う瞬間を想像するだけで
白米参合は食べれそう。(少し頑張って)
水温が下がる今の時期に見られる風物誌といえる光景だろう。
10月頃からホヤの仲間が目立ちはじめ、
12月にはヒドロ虫が目立つイメージ。

懐かしい海(大瀬)ではさぞヒドロ虫が栄えている事だろう。
わくわく。
今年最後のアップになるかもしれない。
良いお年を!


12.29.2015

楽しいピンボケ。


横浜の実家でのんびりと過ごしている。
文字で書くよりものんびりとしてるか。
中華街と山下公園に行った。
たまには?家族孝行?
イッチは鳩と戯れているのが一番楽しそうだった。
テル氏はゴマ団子を食べているのが幸せそうだった。
僕はと言えば昔、大桟橋でメバルを釣っていた事を懐かしんだ。
今は釣りたいよりも桟橋の下を覗いてみたい。
きっと魚の楽園があるだろう。


これからはこのブログを頻繁(当事務所比)に更新していこうと思う。
写真はカモメおじさんとイッチ。
レンズはオークションで5000円くらいで買ったもの。
nikkor 50mm f1.8 とある。かなり古い。
カメラ本体に露出の表示はされないし、ピントはマニュアルのみ。
ピンボケ写真量産だけど、楽しい。
綺麗に撮れる=楽しい ではない。
僕にとってはカメラの楽しさを一番感じさせてくれる、お気に入りの1本。


【 屋久島水中・自然写真 高久至写真事務所 】
 

9.09.2015

辺野古の海を思う

春に遊びに来た小室さんより届いた!
辺野古(沖縄本島の北東部)で潜っていると話を伺い、
興味津々であれこれと聞きまくっていたからか、
よっぽど好きものと思われたみたい(笑)
 
基地移設問題で揺れる辺野古の海。
この海には思い入れがあって2003年に一度訪れたことがある。
大学4年の夏、卒業論文の調査を大義名分に沖縄を旅した際に訪れた。
すでに移設問題の真っ只中で住民や勇姿による座り込みが行われていた。
僕はちょろっと参加をして、
あとはオバァに辺野古の海を聞いて回った。
ちなみにイノー(干潮時に出来る海の畑)が卒論のテーマ。
農業大学だったので、畑を絡めて。。。
無理やり感いっぱいでギリギリでアウトだとは思うけど
どうしても沖縄の海に行きたかった!(笑)
干潟を歩いて、生き物観察もした。
ミナミコメツキガニの大集団が出たり引っ込んだり、
あの駆け引きは今でも鮮明に覚えている。
漁師さんにもお世話になり、
深海一本釣り漁にも連れて行ってもらった。
アオダイが面白いほど釣れて、オジィもご機嫌だった。
オジィの胸には幼少期に噛まれたサメの歯型がくっきりと残っていた。
この海に寄せるオジィの思いも聞いた。
 
そしてその当時の僕が知りえなかった、
辺野古の海の中の様子をこの本を通して知ることが出来た。
一番、驚いたのは、マジリモクの林。
 春には高さ7mにもなる壮観を作り出す。
屋久島でも今ではほぼ見られない、ホンダワラの仲間が
これほどに活き活きとしていることに衝撃を受けた。
沖縄でもこのマジリモクはここでしか確認されていないらしい。
そして現在この場所は、ボーリング調査の区域に入っているとかで
潜る事は出来ないらしい。
このまま基地の移設が進めば、もちろん無くなってしまう。
マジリモクの林だけではなく、この辺野古の海には
貴重な生き物も多く、262種(水鳥含む)の絶滅危惧種も確認されている。
またジュゴンのやってくる海としても知られている。
この本には辺野古の海の素晴らしさが濃縮されている。
消えゆこうとするこの海を、
一人でも多くの人に知って欲しい。
 
難しい問題はたくさんあるかもしれない。
でも僕が一つ、これだけは確信している事がある。
日本の海辺環境はこれ以上、
たったの1平方メートルたりとも、
損なわれてはならない。
海を削ってまで得られる幸福は現代の日本にはもう無い。
 
 

8.05.2015

ダイオウホタルイカモドキ( Ancistrocheirus lesueuri )の稚仔

8月に入りようやく黒潮が接岸した屋久島です。
例年より1ヶ月遅れ。
黒潮の海にとっぷり浸かると、今年の絶望的な梅雨のことも
懐かしい思い出に変わる。
黒潮が接岸した8月1日の前日、
深海よりの使者が黒潮の斥候として現れた。
 
ダイオウホタルイカモドキ Ancistrocheirus lesueuri
東京海洋大学の土屋光太郎先生に伺ったところ、
「触腕の柄に発光器があるが腕にはない。
頭部、外套上に発光器がある。
眼、内臓には発光器がない。
腕の吸盤2列、触腕4列」
などの特徴からダイオウホタルイカモドキ
と思われるとの回答を頂きました。
 
インド太平洋に広く分布する種であるけれど、
稚仔は非常に珍しいとのことでした。
 
只者じゃないオーラは出ていたけど、
名前からしてなんか凄い子でした。
こんな出会いがたまにあるから、
海はたまらない!
 

7.30.2015

感動を写真に収める。

 
「意外と知らない? 屋久島の魅力は“混沌”の海」
週刊朝日の記事を紹介してもらえました!↓
http://dot.asahi.com/wa/2015070100078.html
この写真は「命の海」に載せたクマノミのハッチアウト。
数日前に生態好きのゲストと一緒にこのシーンを見てきました。
感動的な瞬間に立ち会えて喜んでいたものの、写真が思ったように撮れないとのこと。
そう、クマノミのハッチアウトは見たときの感動を写真に収めるのが難しい。
生態撮影では、まず慣れが大事。
1,2度はしっかりと見て、行動パターンを把握して、
イメージが鮮明に浮かぶようにする。
卵が産みつけられる場所も重要だ。
やはり平坦な場所に産み付けてくれると、撮影はしやすい。
あとは何度も挑戦するしかない!
いくらイメージを鮮明にしても、あくまでもイメージは妄想。
生き物たちは自分の妄想どおりには動いてくれない。
孵化の時間になると、ライトにアミやゴカイの仲間が押し寄せて、撮影どころではなくなることもある。
また水温変化の大きな屋久島では卵の成熟速度が不安定で読み辛い。産卵から孵化までの日数が初期と後期では4~5日も変わってくる。
そんな感じで、イメージ通りに撮れることなんてほとんど無い!
この写真は、そんな中でも納得のいく一枚。
この一枚がクマノミと僕の6年間の集大成と言っても良い。
7年目の今年は、、、この写真を越えられなかった。
まぁそんなもの。
写真集に使用している一枚一枚にこのクマノミと同じくらいの思い入れがあります。
まだご覧になっていない方は是非!


【 屋久島水中・自然写真 高久至写真事務所 】
 

7.28.2015

ブドウテッポウエビ(新称)とシロオビハゼ

「ブドウテッポウエビ(新称)とシロオビハゼ」
Alpheus sp.5 & Cryptocentrus albidorsus
NIKON D610 
Tamron 90mm F2.8
ss1/125 f13 iso800
 
覚えやすい和名っていいなぁ。
まさに葡萄を連想させる色彩模様。
ブドウテッポウエビは屋久島ではシロオビハゼかオドリハゼお共生している。
でもハゼがシャイなためにテッポウエビは中々撮れない。...
日没前の昨日は就寝前の巣穴清掃のためかハゼを押しのけてエビがグイグイと出てきた!
そしてこのエビ、図鑑やネットで見かけるものより数段に美しい!どうでしょう??
屋久島だから!?うん、そういう事にしよう(笑)
観察していて面白かったのは、ハゼが献身的だったこと。
共生ハゼは種類によって仕事ぶりはまちまち。
シロオビハゼはブドウテッポウエビと距離が離れると、自らエビに寄り添う。

ほんとにピッタリとくっ付く。
やっぱエビが美しいからハゼも一生懸命なのかな?
写真はエビの美しさを引き立てるために両者が離れた所を撮影。
このあと、ハゼがす~っとエビの方へ身を寄せた。
ハゼも僕も、このエビにメロメロでした(笑)


【 屋久島水中・自然写真 高久至写真事務所 】
 

5.31.2015

口永良部島・新岳の噴火
2015年5月29日
 
久しぶりの更新です。
作家の荒俣宏さんと佐藤俊さんとダイビング中に口永良部島が噴火しました。
 
ダイビングの後半、浅場でまったりと遊んでいる時に、
激しい金属音が水中に鳴り響いた。
どうやら船長が船を叩いているらしい。
イルカでもいたかな?と思ったけど、
過去にそんな風に教えてくれたことはなかった。
そんな訳で撮影中のお二人を残して、一人でそれとなく浮上すると、
世紀末的な恐ろしい光景が目に飛び込んできた!
予報とは裏腹の青空に似つかわしくない、不気味なキノコ雲。。。
すぐさま、お二人の元へ行き、理由も説明せずに、急浮上。
もちろん急浮上なんてしたくなかったけど、優先順位を考えると致し方ない。
水深5~6mの浅場にいたことは、運が良かったとしか言えない。
 
その後何やかんやあり、、、(雑だな。。。)
その時の写真が各種メディアに使われ、
動画は報道番組で頻繁に流れる事となった。
yahoo!のトップに写真が使わるなんて夢にも思ったことがない。
 
さらに、なんやかんやあって、今はようやく落ち着いた。
水中写真家としては、ほとんど何の成果を上げていない自分が、
報道で活躍する事になるとは、新岳の噴火以上に予想していなかった。
それも撮影したのは先日、熊本のシャチョウさんに頂いたオリンパスのコンデジTG-4。
普段、万が一に備えて一眼レフに望遠とワイドのセットを常に持ち歩いているのに
ほとんど出番はなかった。
なんだか、複雑というか不思議な気分。
 
色々な事について考えさせられた1日間だった。
ともあれ、大災害にもかかわらず、死者が出なかったことにホッとした。
エラブ島民の皆様が心安らかに暮らせる日を願う。 
 
ではでは、また。