12.15.2020

ハタハタ日記⑤ 〜敗走〜

 2020/12/15  秋田

男鹿ダイビングセンター

暴風雪 北西 風10m 気温-1/-4℃ 水温12℃


寒波を願ってすいません。

もう勘弁してください。。。

真夜中の暴風雪の中、ハタハタへの期待を膨らませて

海へと向かう。

大波が入ってこない場所とはいえ、なんか凄いことになってる?

流石に入る気になれる夜明けを待ってからちょっとだけ

海の中をのぞいてみる。

透明度、、、?何も見えない。

水面から顔を出すと、、、これまたホワイトアウト。

これは、、、ダメなやつだ!

漁港内でハタハタのお網を引き上げる漁師さんを見つめる。

1、2、3、、、10匹!?

これほどの寒波が来てもハタハタが接岸しないのか。

もうね、漁師さんと同じくガックシ。

朝8時には1日が終わった感じ。


今日は「にかほ」では少し取れたとか。

https://www.sakigake.jp/news/article/20201215AK0034/

能代でも防波堤裏でボチボチ取れたとか。聞いいた。

しかしいずれも多くない。


秋田テレビの記事がちょっと驚く。

https://www.fnn.jp/articles/-/119681

沿岸では去年の1,4%しか水揚げがないとのこと。

これはそうなのだろう。なんせいない。

最後の結びが「不漁の原因は全くわからない」だって。

それはいくらなんでも無責任じゃないだろうか。

ふー。

獲り過ぎの結果ですよ。(一応)

磯焼けで藻場の減少も気になるところだけど。



下の写真は昨日ハタハタが見つからずにうつむいていたら

目に飛び込んできた美しい生き物たち。

ムツサンゴ


ミドリイソギンチャク

ミドリイソギンチャク


ここのミドリイソギンチャクもハタハタを待てるんだろうなぁ。

前に見た卵丸呑みしてる姿は衝撃的だった。


もうできることはあまりない。

雪と波を見つめながら祈るのみ。


〜追記〜


きりたんぽ

ハタハタの塩焼き

今朝、能代で取れたばかりの「ぶりこハタハタ」

卵がとろーっとしていて絶品でした。

八峰町の「民宿いがわ」さんより



ではでは。


12.13.2020

ハタハタ日記④ 〜最初にして最高の1匹〜

 2020/12/13  秋田

男鹿ダイビングセンター

雪/晴れ 北西 風4m 水温12-15℃



ハタハタのメス(20cm~ 3,4才)

秋田に来て10日目。できることは待つのみ。

浜での漁師さんや地元の人と話していると

明日からの寒波で来なければ今年はお終いだろうとのこと。


昨日ようやくハタハタに出会えた!

4時間潜って、たったの1匹だけ。

それでも今回来た目的は一応達成された珠玉の1匹。

お腹がパンパンの大きなメスを撮りたかった。

ハタハタのメスは深海から浅瀬にやってくると

すぐに卵を海、再び深海へ戻ってしまう。

なのでお腹の大きなメスにはなかなか出会えない。

少なくとも前回、何万匹ものハタハタを撮影したにも関わらず

お腹の大きなメスのカットは撮れず終いだった。


たった1匹。

でも10日間待った価値のある、ありがたい1匹だった。




今日は出会えず。

秋田でのハタハタ情報はほとんどなし。


昨日から青森でハタハタが獲れていると聞いた。

秋田を通り過ぎて行ってしまった!なんて落胆の声も聞かれた。

とにかく見にいかなければ!



気がつけば青森!
そして釣り人が吹雪の中ハタハタをサビキで引っ掛けている姿を確認!
針を垂らせば引っかかるという凄い釣り方だ。
ハタハタは本当に秋田を通り過ぎて行ってしまったのだろうか。。。


潜ろうかと少し迷ったが、テーマが「秋田とハタハタ」なのですごすごと戻る。
日本中どこで聞いても、ハタハタの価値はそれほど高くない。
しかし秋田では、、、どこへ行っても、ハタハタの話題を耳にする。
今や全然獲れなくなり、値段も高騰しているけど、
それでもやっぱり食べたいらしい。よっぽどハタハタが好きなんだなぁ。




スーパーで見た衝撃のハタハタ。
1キロ2000円。隣のズワイガニ3匹より高かった。
ニシンやイワシの様な扱いの魚だったはずなのに。


明日から寒波が来る。
潜れるのかも、ハタハタが来るのかもわからない。
やはりできることは待つだけだ。



12.11.2020

ハタハタ日記③  〜予兆〜

 2020/12/11  秋田

男鹿ダイビングセンター

晴れのち雨 南 風3m 水温15℃


感覚が研ぎ澄まされていくのを感じる。

見知らぬ土地で、先人に案内されて知る海。

これほど刺激的なことはない。

でも、もしもそれ以上に素晴らしい体験があるとするなら

見知らぬ土地で、ただ一人右も左も判らぬままに潜り

朧げながら見える海、かもしれない。

少なくとも僕にとっては、とても大切なこと。

こんな環境を与えてくれている男鹿ダイビングセンターの皆さん、

家族に感謝。。。



「待づしかでぎねぇ」


https://www.sakigake.jp/news/article/20201211AK0026/



ハタハタの先発隊が各所で確認されている。
どこも数えられるくらい少ないけど、確実に迫ってきている。
いまだに水温は高いし、陸上も気が抜けるほど暖かいし、
それにハタハタ資源は限りなく少ないのかもしれないけど、
それでもきっとハタハタはやってくるのだろう。



アイメナ生活はかなり観察レベルを上げてきたけど
今日でおしまいかな。
後ろ髪をひかれつつ、本番の地へ移動しよう。



アイナメの卵保護


12.09.2020

ハタハタ日記② 〜だけどアイナメ観察〜

 2020/12/08  秋田・男鹿

晴れ 北西 風4m 水温15℃


昨日は冷え込んでハラリと雪を見た。

しかし依然として寒波は来ず、水温も高い。

6日に南の由利本荘で初漁(1,2キロ)があったらしい。

本隊接岸前の斥候だろう。

でも本隊が来る気はしない。


季節ハタハタ漁 待ちわびる声

https://www3.nhk.or.jp/lnews/akita/20201208/6010008911.html

沖合の底引きが去年の1/3しか取れてない、それなのに沿岸へ産卵にくる

季節ハタハタに期待したいって、あまりにも楽観的だ。

期待を込めてということなんだろうけど。



秋田にきて6日目。

来ないものは撮りようがない。ハタハタは諦めてアイナメを観察中。

写真の子は観察4日目。随分と警戒心が解けてきた。

最初は卵しか撮影できなかったけど、今ではレンズにぶつかるほど寄れる。

あんまり強そうなオスに見えなかったけど、

この界隈一のモテ男で13卵塊は保護している。

直径50mに、他に4個体のオスが卵を保護している。

それらを見て回ったりあれこれしているうちに、1日が過ぎてゆく。

できることなら24時間ずっと観察していたいな。




12.07.2020

ハタハタ日記① 〜待ち魚、いまだ来たらず〜

 2020/12/07   秋田

晴れ 気温6-10℃  水温15-16℃ 北西 波2,5m


ハタハタの絵本を来秋に出版できることになった。

写真はある程度撮れているし、出版社からもOKをもらえているけど

あと一押し欲しい。そんなわけでまた秋田に来てしまった。


なぜハタハタかといえば理由は2つある。

まず僕自身は、はまっこ(横浜人)とこれまで、都会ぶっていたが

実はぼくには秋田の血しか流れていない。

「お、おら、はまっこになりてえだ。。。」

、、、、。


秋田はハタハタで有名なので、良くハタハタを食べさせられた。

そう、馴染みがあったのが理由の一つ。


もう一つは、ハタハタが漁師の自主的な禁漁による

日本初の成功例と言われていたことが大きい。


30,40年以上前に猫またぎと言われるほどハタハタで

溢れかえっていた時代から急降下でハタハタはいなくなった。

1992年より3年間の禁漁、その後徐々に資源は回復していき

一時期は昔の活気が戻っていた。

が、それも束の間で今はもう禁漁レベルまでハタハタは減っている。

狂おしいほど、いない。


原因は取り過ぎに他ならないが、

元をたどれば日本の漁業のシステムが悪い。ということになる。

「漁獲枠」というものがある。

きっと皆さん聞いたことがあるだろう。

「今年はこんだけとっても、大丈夫(魚が減ることはない)ですよ〜」

というもの。


こちらは秋田魁新報の記事。
このグラフを見て何が正しく、何が間違っているかわかるだろうか?

言ってしまえば全てが誤り。
漁獲枠というものは設定したら、
その量、100トンなら100トン獲って、はいお終い。
が正しい。それ以上も以下もない。


漁獲枠まで届かないで終わったのなら、
それは漁獲枠を広く取り過ぎということ。
頑張っても獲れませんでした。
というのは魚がいないということ。

逆に漁獲枠を超えること、これは言語道断。
もはや漁獲枠を設定している意味がない。
「これだけ獲っても大丈夫ですよー」というのが漁獲枠なんだから
それをオーバーしたら、「来年以降魚が減りますよー」を
無視したことになる。

資源管理の成功例としてもてはやされているハタハタでさえ
こんな現状なんだから、他の魚介類についても想像に難くないだろう。


ちょっと長くなってしまったが
興味が湧いた方は是非こちらも読んでいただきたい。
勝手に敬愛している勝川さんの記事です。

「ハタハタの不漁は海洋環境が原因という説を検証」

http://katukawa.com/?p=6158


そんで 以下2つは最近の「秋田魁新報」の記事です。

「ハタハタ漁獲枠、昨季と同じ650トン 資源量は低水準続く」

https://www.sakigake.jp/news/article/20201027AK0027/


「季節ハタハタ初漁、来月3日ごろ 底引きは禁漁明け以降最少」

https://www.sakigake.jp/news/article.jsp?kc=20201125AK0003&pak=1&pnw=0&ptxt=ハタハタ&psel=&py1=&pm1=&pd1=&py2=&pm2=&pd2=


どう考えても悲壮的。

さらに追い討ちをかけるように温暖化なのか暖冬で未だにハタハタの気配がない!

今年の接岸(沿岸にハタハタが産卵にやってくる)予想日は12月3日だった。

ぼくが秋田入りしたのが4日だから、思いがけずピッタリ。

のはずだったけど、いまだに接岸の兆候はない。

冬一番ともいえる寒波が来ていないからだ。

1週間後に大しけ予報だから、それ以降だろうなぁ。

あと10日間。

最後の1日か2日間が勝負どころだろう。

果たしてハタハタを一目でも見ることはできるのだろうか?


写真は去年このブログ

https://itaru-t.blogspot.com/2019/12/blog-post.html?fbclid=IwAR00NUtz19Us5cCcwRETor1LY2Mpx6nZWbcFxlwqrSmBhX24Et2LxGVckD0

でも載せたものだけど、

会えていないから転用しちゃおう。


早くハタハタ来ないかな〜。


12.05.2020

鹿児島県・錦江湾にて

2020/11/27-12/04

鹿児島 / 錦江湾


屋久島でのダイビング業を終えて写真の旅へ。
まずは鹿児島にて春から延期になっていた
至塾という名の写真塾へ参加。


毎度お馴染みのダイビングショップ SBさんで
やりたい放題楽しませてもらった。
塾長としてそれっぽいことをやったり、
家族旅行の霧島にも付き合ってもらったり
あとは呑んだだけ!?




サンゴイソギンチャクの群生地
ここは日本一のサンゴイソギンチャクの群生地だろう。
(人に知られている範囲で?)
各地でサンゴイソギンチャク畑を見てきているけど
ブッチギリでNO1。
エントリーしてすぐにこのイソギンチャク畑があるから
どうしても先に進めない。。。



漁礁を覆い尽くすムチカラマツの群生
これまた錦江湾全開!
この光景を見て思い出したのは五島列島だ。
中通島では漁礁を覆い尽くすソフトコーラルの群生
に打ちのめされたけど、ところ変われば景観も変わる。
錦江湾の豊かさを感じながら日本の海の豊かさに触れたように思う。



カサゴの喧嘩
2日間夕方はカサゴの観察。
魚の街を見て周ること、


やはり僕にとってはこれが最上の海の楽しみだ。
カサゴは他の魚と違い卵ではなく出産をする。
出産の1ヶ月以上前に行われる交接を狙っていたけど
それは見れなかった。
でも至福の時間だったなぁ。




桜島ドーン!
いつ見ても桜島はかっこいい!





霧島にて慰安旅行〜。
いい湯だったな〜。
坂本龍馬もこの地にて逗留してたとか。


いてて。



相変わらず愉快なチームSB
写真に全然写ってないけど、みなさん有り難うございました!



また潜り語らおう!!

9.01.2020

〜その後〜「人喰いザメは存在しない」屋久島に打ち上げられたマッコウクジラとイタチザメの記録

2020/09/01
屋久島

イタチザメ(Tiger Shark)Galeocerdo cuvier

屋久島にマッコウクジラが打ち上げられてから9日が過ぎた。


いつも通り海に潜っているけど、頭の中はクジラとイタチザメのことでいっぱい。

僕を含め、そんな屋久島住人が多いことがわかった。

クジラが見えなくなった後の浜を、眺めている人も見かける。 

突然の大自然を目の当たりに、放心状態に陥った人たちだと思う。

僕が普段、魚の生態行動を追いかける時に大切にしていることは、華々しい瞬間(産卵や孵化など)の、前後のストーリだ。産卵や孵化の瞬間が華であるとするなら、地味な駆け引きや、寝るまでの行動や、季節ごとの変化などがそうである。

今回は、前回の記事の続編ということで書いてみた。

上の写真は8月24日に撮影。

クジラから少し(5mくらい)離れた場所で撮影した一枚。

キレイな海にカッコイイ鮫の写真に見えるが、実際海の中はクジラ近くは色々なものが浮遊していてかなり濁っていた。



23日:マッコウクジラが打ち上がる。

24日:鯨にイタチザメが群がり始める。午後には浜への立ち入りが禁止になる。

25日〜:駐車場や浜に近寄れなくなる。(鯨撤去作業のため)


27日:マッコウクジラがいた場所に砂利がもられた。この場所に埋められたと思われる。


30日:玉砂利の浜が採石でキレイに整備される。鯨がどこに埋められたか分からない。臭いと過去の風景から写真の手前部分と思われる。


この時点で問題になっているのは

「いつからこの区域で泳ぐことができるのか?」である。

ドローンで撮影した上空からの映像ではマダラトビエイが1匹。アオウミガメが数匹。サメらしき魚影は確認できなかった。

「餌にありつけないとわかればサメはいなくなるだろう」と

世界中の海で生態観察をして来た中村宏治氏の予想通り。

鯨のストランディング直後の「イタチザメが来るぞ!」とのアドバイスと共に

まさに海の自然を熟知した人だからこそ、予測できたことだろう。

同時に「この場所に埋めたのはまずかった」とのお言葉も頂いた。

あの巨体から今後長きにわたり垂れ流される体液はサメを引き寄せる可能性がある

ということだろう。

現在イタチザメは去ったし、クジラが再び海に投げ出されるようなことが無い限り、安心して良いと思う。だけど、不安を拭切れないのが一般的な心情ではないだろうか。これからくる2連続の大型台風のことや、屋久島でもっともマリンスポーツ(体験ダイビング 、スノーケリング、サーフィン)に使われている湾だということを考慮した時に、果たしてこの場所への埋葬は果たして正しかったのだろうか?と考えざるを得ない。

この決定には意見の飛び交う行政判断があったようだが、屋久島の観光業を思えば答えは明白だ。当時は台風が接近中とはいえ当時の海は穏やかだったし、沖合に沈めるが最善策だろう。なんらかの理由で不可能だったのなら仕方がないが、今後どれだけの不安が付き纏うかを想像して欲しかった。

今は台風でマッコウクジラが海に投げ出されないことを祈るのみである。今後の鯨類のストランディング時における方針を、町はある程度決めておくべきだろう。まぁ一介のダイバーの戯言である。


ちなみに何度か空撮をしたが、現在は1匹のサメも確認できていない。